星と私
M3まで残り4日となりました。
今回のihatovoのCDアルバムのテーマは「北極星」です。
このテーマは自分にとっては中々に難しいものでした。私にとって北極星は「目標」となるもの、なのですがまず自分の「目標」とはなんだろう…と。ある意味ではその解答となるものが今回の収録曲になります。「一つ一つの音に重みを。呼吸を。想いを」込めて描いたつもりです。
私としては多くの方と出会い、このサークルの音楽・絵画にふれて頂き何かを感じて欲しい、そう願っています。
そして、制作に際し最大限の協力してくれたサークルのメンバー、ツイッターの仲間や周りのにこの場を借りてお礼を伝えたいです。
「星の波濤」
一番最初に出来上がったのがこの楽曲でした。
子供の頃、八ヶ岳と北海道でみた星々のまたたきは東京でしか星を見た事のない私には衝撃的でした。その強烈なインスピレーションをそのまま音にしました。この楽曲のフレーズ、動機は他の楽曲に転用され、以降の作品に線として繋がっていきます。
「想い星」
実はこの曲集を作る前にスケッチとして残していたものを改訂、補筆したものです。この曲は誰かの傍で星を見ながら歩き続ける姿をイメージしながら肉付けを行いました。また曲の要所要所に冒頭曲「星の波濤」を思わせるフレーズが入っています。フルートの温かみのある音と、音が消える際の一瞬の閃光を、この楽曲に託しました。
「星明りの道」
私が本アルバムに寄稿した楽曲の中で唯一の歌曲です。
私はピアノと初音ミクだけの編成の楽曲を「純ピアノミク」と呼んでいますが、なぜこのジャンルが下火なのか不思議でなりません。シンプルながら、心に染み入る音を形作ってくれる組み合わせだと確信しています。
私が歌を書くときは、音の「言葉のない歌」だけでなく、詩と歌の息遣いによって、新しいものを表現したい、と強く願った結果です。その結晶は曲全体に散りばめられています。それは一つ一つは小さな粒子のようなものですが、そこから放たれる何かがお聴きくださる方に届くことを切に願います。
「銀河鉄道の夜」
宮澤賢治氏の代表作でありますが、それに加え私の心象スケッチ、想いを強く込め形にした楽曲です。 楽曲は弦を中心に展開していきますが、曲のところどころに今まで聴いてきた楽曲の回想、動機の転用があります。必ずしも美しい音ばかりを描かず、様々な表情や情景を音にしました。
宮澤賢治氏の原作では、ジョバンニはカンパネルラと惜別しますが…。
この楽曲のヴァイオリンの旋律は、私の祈りの歌です。
「約束のステラ」
普段あまり私はギターやドラムの音を描かないのですが、y0dap0nさんが提供くださった旋律を元にバンド風のアレンジを致しました。バンドサウンドと初音ミク・重音テトの奏でるハーモニーを楽しんでいただければ幸いです。「二人」の元気が星を隠す暗い雲を吹き飛ばしてくれる、そんな印象を持っています。
随分と長い文章となってしまいました。 今回はCDに加え「星色ノ手帖」という画集も頒布致します。
y0dap0nさん、れおれおさん、あかりさんが魂を込めて描き上げた作品です。 私は絵は全く描けないのですが、3人の絵からは私が作品作りの時に大切にしている「想い」にあふれているように感じます。
「北極星」と「星色の手帖」、二つの作品で一つの世界を形成している、と言っても良いと思っています。
会場で多くの方とご縁ができることを楽しみにして、筆をおきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。